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保証意思宣明公正証書-その1

4月1日から施行される債権法分野の新しい民法。新法では、個人の保証人を保護するための規定が盛り込まれています。今回ご紹介するのは、その規定のひとつです。
事業のために負担した貸金等の債務についての保証契約においては、その保証債務の額が多額になりがちで、保証人の生活が破綻する例も相当数存在するといわれています。しかし、保証契約は個人的情義(人情と義理)等に基づいて行われることが多く、契約締結の際には保証人が現実にその履行を求められることになるかどうかが不確定であることもあって、保証人の中には、そのリスクを十分に自覚せず安易に保証契約を締結してしまった者が少なくないとの指摘がありました。
そこで新法では、保証人が個人で、事業のために負担した貸金等の債務についての保証契約においては、公証人が保証人になろうとする者の保証意思を事前に確認することとしたうえで、この手続を経ていない保証契約を無効にすることとしました。この手続において作成される公正証書のことを、「保証意思宣明公正証書」といいます。ただし、一定の場合(主債務者である株式会社の取締役が保証人になる場合など)については、リスクを十分に認識せずに保証契約を締結するおそれが低いと考えられることから、公証人による意思確認を不要としています。
「保証意思宣明公正証書」の作成手続については、次回以降にお伝えいたします。
◆参考文献 『一問一答 民法(債権関係)改正』 商事法務発行