保証意思宣明公正証書-その2
今年4月から、事業性資金を借り入れる際には、原則として公証人が保証人になろうとする者の保証意思を事前に確認することが必要になり、この意思確認を経ない保証契約は無効になります。この手続において作成する公正証書のことを、保証意思宣明公正証書(以下、「この公正証書」)といいます。
保証人になろうとする者本人が、保証契約を締結する前にこの公正証書の作成を嘱託しておく必要があります。代理人によって嘱託することはできません。なお、管轄の定めはありませんので、どの公証役場においても嘱託をすることができます。
この公正証書は、保証契約締結日の前1か月以内に作成されている必要があります。それ以前に作成されていても、保証契約は有効になりません。新法が4月1日に施行されますので、3月2日以降にこの公正証書の作成が可能になります(3月1日が日曜日のため)。
保証人になろうとする者は、自らの保証意思を明らかにするため、主たる債務の内容などの法定された事項を、公証人に対し口頭で述べます(口授(くじゅ)といいます)。公証人は、保証人になろうとする者が口頭で述べた内容を筆記し、これを保証人になろうとする者に読み聞かせ、または閲覧させることとされています。
公証人が保証人になろうとする者の保証意思を確認することができない場合は、無効な法律行為等については証書を作成することができないとして、公正証書の作成を拒絶しなければなりません。
◆参考文献 『一問一答 民法(債権関係)改正』 商事法務発行