新札幌駅から徒歩約5分!成年後見・相続・遺言のご相談は、宅間孝司法書士事務所まで

ロゴ

tel

夜間・休日につきましても、事前にご予約をいただければ、
可能な限り対応いたしますので、お気軽にご連絡をお願いいたします。

留萌本線、最後の秋区間を中心に

ブログ, 乗りもの | 2022-10-10

2023年3月末で一部区間(石狩沼田-留萌間)の廃止が予定されている留萌本線に乗車してきました。現在のJTB時刻表では、留萌本線は函館本線の山線区間(小樽-長万部間、7月に乗車)と同じページに収録されています。我が国の鉄道開業150周年の記念の年に、2つの線区とも将来の廃線が決定してしまったのは残念なニュースです。
起点の深川駅にある掲示を一部ご紹介します。収録日は9月の平日にもかかわらず、7時59分発の留萌行きは多くの乗客で混雑していました。留萌まで往復することを考えると、遅くとも11時台に発車する列車に乗るのが現実的といえるでしょう。
写真はありませんが、留萌本線は多くの区間で高規格道路である深川留萌道が並行しています。そこでは並走する自動車が列車を追い抜く場面も少なくなく、鉄道にとっては厳しい環境になってしまいました。

☆恵比島駅
ここは、以前放送されたNHKの連続テレビ小説「すずらん」のロケ地として有名かと思います。駅舎が2つ並んでいるように見えますが、左側にあるのはロケセットとして使われた「明日萌駅」で、実際の駅は右側です。レトロな外観を醸し出していても、中身は車掌車駅舎(=かつて貨物列車の最後部に連結されていた車掌車を駅舎に転用したもの)です。
駅舎内には千羽鶴が吊り下げられていました。何を願っていたのかはわかりませんが、路線存続の願いは叶いませんでした。中には駅ノートが置かれていて、最新の書き込みは静岡県在住の方でした。隣に置かれているパンフレットで、沼田町は子育てのまちとしてPRしていることも知りました。
なお、駅舎内にはトイレがありませんので、向かいにあるロケセットの旅館に併設されているそれを利用することになります。

☆恵比島駅周辺
ドラマのロケセットは管理人不在ということで閉鎖中です(見学希望の方は事前に町役場に申し込む必要があるようです)。「明日萌駅」の中は無人のはずなのに、ドラマの主人公である「萌」と思われる人形が展示されているのが見えて、一瞬後ずさりしてしまいました。
駅周辺はロケセット以外に店舗や施設はありませんので、現状は天候の急変があっても駅舎以外に逃げ込める場所はないと思います。駅の歴史としては残りわずかですが、これから冬を迎える時期であることも考え合わせると、ここに降り立つのであれば車で行くのが賢明かもしれません。駅前には町営バスの停留所がありますが、立ち寄った時間帯の運行はありませんでした。駅の近くの道路には、白樺を模した電柱が並んでいるのが特徴的でした(実際はコンクリート製です)。
駅の近くにある踏切の標識は、正統派?の蒸気機関車が描かれているものです。非電化区間の踏切標識にパンタグラフ付きの絵柄(電車)では、少し残念な気持ちになるところでした。ただ、この踏切も来年には姿を消すことになります。駅の裏側には、かつてここを起点としていた留萌鉄道の建物と思われるものがあります。

☆石狩沼田駅
行程の都合上、恵比島駅から戻る形で石狩沼田駅に着きました。現在は1面1線の構造ですが、奥には使われなくなった島式ホームが残されています。かつては札沼線の終着駅でもあり、交通の要衝だったことがうかがえます。駅の近くにあった化石館は移転して、現在は幌新にあるとのことです。
町はJRを応援する姿勢をアピールしてきたものの、路線の存続には至りませんでした。駅舎内には留萌本線開業111周年を記念する飾り付けがされていました。4年後、本来であれば全線開通115周年記念を祝うべき2026年に全線廃止されてしまうのは、皮肉な運命だと思いました。

☆旧瀬越駅
留萌駅前からは増毛方面に向かう路線バスが運行されています。運行会社である沿岸バスのバス停にはこのようなイラストが施されています。留萌だけに“萌え”がイメージされているのかもしれません。増毛までの区間の廃線紹介は別の機会にということで、1駅相当分だけ乗車して旧瀬越駅を訪ねました。旧駅舎の前には線路が敷かれていた枕木と思われる木材が積み重ねられていました。旧駅舎内は当然のことながら立ち入りができなくなっています。廃線から間もなく6年、草が生い茂り周囲と同化しつつある中、柵があることで辛うじてここが線路跡だったことを思い出させます。バスが通る国道231号線には大きな歩道橋が設置されています。真冬の気象条件を考えると、全天候型としていることも理に適っているといえるでしょう。

☆留萌駅
残りおよそ半年の終着駅に戻りました。外観は2015年に訪れたときと大きく変わっていないように思いました。とはいえ、この駅も現在は1面1線だけが使われていて2番線、3番線とを結んでいた跨線橋は通れなくなっています。2番線と3番線用の構内信号機に×印がついているところを駅の外側から見ています。手前にある「50」の数字は留萌本線のキロポストです(深川駅から50キロ)。駅名票の隣にある観光案内地図は、留萌から先の線路も描かれている頃のものです。駅の今後がどうなるのかも気がかりです。グッズの類はあまり買わないのですが、さすがに次はないかもしれないと思いましたので、記念の入場券を購入しました。

☆余談-真布駅
石狩沼田駅の隣の真布駅です。この駅も、来年にはマップ(地図)上から姿を消してしまいます。