南富良野町を訪ねました
☆まずは新得駅へ
先日、南富良野町を訪ねてきました。公共交通機関を利用して札幌から日帰りするには、ちょっとした工夫が必要です。石勝線の夕張支線が2019年4月に廃止されたことで、追分駅と新夕張駅とを結ぶ普通列車が激減しました。このため、現在は乗車券のみで石勝線に乗車して南千歳駅から新得駅に到達することが困難になりました。「一日散歩きっぷ」や「青春18きっぷ」のような普通列車・快速列車の自由席に自由に乗り降りできる“きっぷ”を所持していても、南千歳駅または追分駅と新夕張駅の間では別途乗車券と自由席特急券などを購入する必要があります(新夕張-新得間内相互発着の場合に限り特急列車の普通車自由席が利用できます)。なお、今回は「HOKKAIDO LOVE!6日間周遊パス」を利用して、特急列車で新札幌駅から新得駅まで乗車しました。自由席の車内は混雑していませんでした。およそ2時間の乗車の後、最初の乗り換え場所である新得駅に到着しました。そういえば、新得町も朝ドラの舞台でしたね。
駅の周辺を散歩します。近くの電器屋さんにある「パーフェクTV」の文字に懐かしさを感じてしまいました。駅にはコンテナの貨物列車が停車していました。コンテナのドアロックがこのような感じになっているのは初めて見ました(封印の役割を果たしているのかもしれませんが、自信はありません)。さすがに市販品の結束バンドではないと思いますが…。
駅前にはミニ鉄道のレールも敷かれています。ただし、残念ながらこの日はお休みで乗車することはできませんでした。
☆道の駅から幾寅駅まで
JRの代行バスダイヤの都合上、新得駅前から南富良野町までは、事前予約した都市間バスのノースライナー号に乗車しました。鉄道の幾寅駅ではなく、道の駅が停留所です。当日は地元の農産物に関するイベントが開催されていたこともあり、駐車場はかなり混雑していました。
道の駅から幾寅駅までは徒歩で15分程度との情報を得て、国道38号線を南に進みます。途中でセイコーマートの看板を見つけました。シャッターが閉まっていて、店内改装中かと思って近づいてみると、収録前日の9月30日限りで閉店とのことでした。
幾寅駅前には占冠村営バスの停留所があります。時刻表の部分は紙製ではありません。一定の厚みがある金属板が、なぜこうなったのかは謎です。
幾寅駅の近くで休憩を兼ねた昼食でした。おいしい食事と店主さんのお話で、楽しい時間を過ごすことができました。店主さんは厚別に縁(ゆかり)のある方だということもわかり、いっそう話が弾みました。
<
☆幌舞駅前のロケセット
今回の主たる目的である幾寅駅に到着しました。この駅は、映画『鉄道員(ぽっぽや)』の中で「幌舞駅」として登場することで有名ですね。駅舎以外にも、ロケで使われた建物のセットを(外からですが)見ることができます。映画の中でキハ12_23として登場した、キハ40_764のカット車体もあります。写真のアップは控えますが、車内には映画出演者のサイン色紙が展示されています。
☆幾寅駅
駅の外観は幌舞駅の雰囲気が保たれています。駅舎内のロケセットは見学可能です。先日訪れた恵比島駅(朝ドラの「明日萌駅」)と異なり、ロケ用の駅舎を別に作ったわけではないためだと思います。ホームの先に見える腕木式信号機も、映画のセットの一部になっていたのではないでしょうか。本来であれば、列車から降りた乗客をこのような形で迎え入れるはずなのですが、それが実現する可能性が限りなくゼロに近くなっているのは残念です。費用面の制約があることは承知の上で申し上げると、自社で実用化寸前まで研究を進めたDMV(デュアル・モード・ビークル)を活用すれば、鉄道の不通区間があったとしても富良野-新得間を結ぶことは可能ではなかったのか?との疑問も生まれてきます。ホーム上には富良野、滝川、札幌方面を指す案内板があり、かつてはメインルート上の主要駅だったことを訴えかけているようでした。石勝線開業直前のダイヤを見ると、急行「狩勝」の一部が停車して、乗り換えなしで札幌駅まで行くことができました(交通公社の=現JTB 時刻表1981年7月号より)。
☆富良野駅にて
幾寅駅からはJRの代行バスに乗車して東鹿越駅へ、その後富良野駅を経由して帰路につきました。富良野駅ではキハ40の懐かしい塗装車両を見ることができました。ちょうど、幾寅駅前で見たカット車体をも思い出す塗色でした。
羽田空港国際線ターミナル
東京での会議の翌日、帰りの羽田空港です。飛行機の出発までに時間がありましたので、久しぶりに国際線ターミナルで途中下車しました。モノレールの国際線ビル駅ホームからは、京浜工業地帯の工場群のほか、頻繁に着陸する航空機などを見ることができます。ホームの広告看板にはアイスホッケーをイメージしたものがあり、世界的にはマイナーなスポーツでないことが読み取れます。
ターミナルビル内では、和の趣(おもむき)や江戸の風情が随所に感じられます。こちらの「日本橋」はお天気の心配をせずに歩くことができます(注:この日は“本家”にも立ち寄りましたが、冷たい雨が降るあいにくの天気でした)。4階中央部の「江戸舞台」は、日中にイベントがあり、後片付けの最中でした。飾り付けがなされている写真は、2018年6月収録時のものです。
お楽しみはそれだけではありません。5階部分にはフライトシミュレーターが設置されていて、家族連れなどに人気のスポットです。3階のフロアからは、浜松町方向から国際線ビル駅に入線してくるモノレールを正面から見ることもできます(京浜急行の国際線ターミナル駅は地下にあります)。
国内線の各ターミナルには、無料の連絡バスに乗って10分ほどで行くことができます。東京にお出かけの際は、国内線ターミナルとは一味違う雰囲気をお楽しみになってはいかがでしょうか。もちろん、一般エリアへの入場には、国際線の航空券は必要ありません。
<追記>2020年3月14日から、国際線ターミナルの名称が「第3ターミナル」に変わります。これにあわせて、東京モノレールの国際線ビル駅、京浜急行の国際線ターミナル駅も、「羽田空港第3ターミナル」駅に変わります。
上野動物園さんぽ
東京での会議の翌朝、帰りの飛行機までの時間を使って上野動物園に足を運びました。見学時間は45分しかなく、とても全部は見られませんが、この時期に見ておくべきものを探しました。
普通に考えると、一番のお目当てはパンダでしょう。現在は整理券方式でなく、並んだ順に見学できます。しかし、開園直後にもかかわらず長蛇の列で、待ち時間も30分以上とのこと。このため、パンダ見学は断念して次なる目的に向かうことにしました。
やって来たのは、上野動物園の東園と西園とを結ぶモノレールです。モノレールは、跨座式と懸垂式の2種類に大別されます。跨座式は東京モノレールで何度も乗車していますが、懸垂式は初めてです。
「上野動物園モノレールは、正式名称を『上野懸垂線』といい、日本で最初に開業したモノレールです。このモノレールは、動物園の遊技施設ではなく、鉄道事業法に基づく交通機関として東京都交通局の運営により営業運転を行っています。」(東京都交通局のホームページから引用)という歴史的価値がある乗りものです。今年11月1日から運休することが発表されていて、再開するかは未定のようですから、乗るなら今です!
旧増毛駅にて
先日、所用で増毛町に行く機会がありました。現地での滞在時間はわずかでしたが、旧増毛駅にも立ち寄りました。留萌から先の鉄道が廃止されてからは初めてです。
駅名標が取りはずされ再び列車が訪れることのないホーム、かつての終着駅の証(あかし)である車止め、この場に立つとあらためて寂しさを感じます。
旧駅舎内には、最終運転の列車に取り付けられていたと思われるヘッドマークが展示されていました。で、裏側に回ると、まさかの?リサイクル使用が判明しました。
「裏紙」(チラシやコピー用紙の裏)という言葉を聞くことはありますが、裏ヘッドマークとは驚きでした。この列車が走行した夕張支線も廃止されてしまったのは、何とも皮肉なものですね。